飼っている動物の安全を守るのは、飼い主の責任です。
大切な家族の一員を迷子にして危険にさらさないように、しっかり対策をとりましょう。
うちの犬(コ)だけは迷子にならない?
毎年、全国で10万頭以上の犬が路上を俳佃していたり、迷い込んできたりして保護(抑留)されています。また、自治体にはその何倍もの、迷子になった犬を捜す飼い主からの問い合わせがきています。犬が迷子になる原因のほとんどは、
- 雷や花火など大きな音に驚いて飛び出した
- 散歩や旅行先で放したらいなくなった
- ドアや門の隙聞から出て行った
などの不注意やアクシデン卜です。自分の愛犬が迷子になる危険とは、常に隣りあわせと考えたほうがいいでしょう。また、去勢していないオス犬は、数km先の発情したメスの臭いに惹かれて、家を抜け出していくこともあります。
猫が迷子になるとき
放し飼いの猫は、交通事故などの危険に常にさらされているだけでなく、感染症などの病気で動けなくなることも多くあります。また、去勢措置をしていないオス猫は、他のオス猫とのケンカで大ケガを負って動けなくなったり、ケンカに負けてなわばりを追い出され、家に帰れなくなることがあります。
放し飼いをしない
猫は室内で飼うように努めましょう。環境を整えれば、猫は室内だけで心身ともに健康に過ごすことができます。
犬はリード(引きづな)をつけましょう。散歩中や外出先では、どんなアクシデントに遭うか分かりません。ノーリードの結果、迷子にさせるのは、飼い主の過失です。万が一の場合に備えて、「オイデ」など呼び戻しができるようにしつけをしておくことも重要です。
なお、犬の放し飼い及び公共の場所で犬を放すことは、ほとんどの自治体で禁止されています。
飼育環境を整える
ほとんどの動物は大きな音が苦手です。雷や花火などでパニックになって外に飛び出さないように、対策をとりましょう。室内や庭で飼っている動物がドアや門の隙間などから脱走しないように、戸締りにも注意しましょう。
また、首輪がゆるんですっぽり抜けてしまったり、鎖やリードが古びて切れてしまった例も多くあります。首輪などは定期的に点検しましょう。
ケージ内で飼う動物は、ケージの開閉時に飛び出したり、ケージの不具合箇所から脱走しないように、取扱いや保守点検に留意しましょう。
不妊去勢措置
繁殖にかかわる事柄は、犬や猫が迷子になる大きな原因のひとつです。
発情したメス犬の臭いは、オス犬を強い衝動に駆り立てます。オス犬は鎖を引き千切ったり、塀を乗り越えて家を抜け出し、メスの臭いをたどって放浪します。オス猫では、なわばりや交尾を巡る他のオス猫とのケンカを誘発します。メスを求めて放浪するオス犬やオス猫は、交通事故などに遭う可能性も高くなります。メス犬やメス猫も、発情期は落ち着きをなくします。いつもはおとなしい室内飼いの猫が、突然家を飛び出すこともあります。
繁殖にかかわる衝動は、動物の本能に根ざすものなので、抑制は難しく、ストレスとなることもあります。不妊去勢措置をとることで、性衝動やストレス、繁殖にかかわる迷子の危険から解放することができます。
迷子札、マイクロチップなど
動物の愛護及び管理に関する法律で、家庭動物には飼い主の氏名、電話番号などの連絡先を記した首輪や迷子札、マイクロチップ、入れ墨、脚環などを装着するよう、飼い主に求めています。迷子になっても、動物は住所も電話番号も言えません。飼い主の所在を明示する必要があります。
また、首輪や迷子札など脱落しやすいものについては、マイクロチップなど、脱落しない耐久性の高い器具を併用することが推奨されます。なお、特定(危険)動物は、原則としてマイクロチップの埋込みが義務付けられています。